「ALOFT」は,カナダを拠点とする開発スタジオAstrolabe Interactiveが手掛けるサンドボックス型のサバイバルゲームだ。
空に多くの島々が浮遊するファンタジックな世界を舞台としたアクションやクラフト,他の生命を脅かす菌類による腐食から自然を取り戻すというゲーム体験を最大8人のマルチプレイで楽しめる。Steamではデモが配信されており,2024年秋にはアーリーアクセスがスタートする予定だ。
ドイツ・ケルンにて現地時間2024年8月21日から25日まで開催されるgamescom 2024のビジネスエリア内Level Infiniteブースにて,Astrolabe InteractiveのCEOである
Manuel Bergeron氏とディレクターの
Nicolas Fournier氏に実際のプレイを通してゲームを紹介してもらった。
両氏には2024年6月に開催されたSummer Game Festでもサステナブルなライフシムとしてデザインされた本作の仕組みを聞いているが,今回はさらにちょっと踏み込んでシステムの話や冒険の目的なども聞いている。
左からManuel Bergeron氏,Nicolas Fournier氏
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Steamのストアページでは日本語でも記載されているとおり,本作のサバイバルは決して厳しいものではなく,幅広い層に向け
“ハッピーで心地よいサバイバル”を目指した作りとなっている。ミスによる代償が発生する高リスクの難関を用意するのではなく,ポジティブな行動による報酬が得られること。過酷な生き残りを体験するのではなく,美しい島々と動物たちを取り扱い,それらを脅かすものから世界を解放するための冒険がゲームのメインとなる要素だ。
大きな特徴が,空に数ある島々のどれでも「天空の船」にできるところ。モンスターたちを倒して汚染から解放することで島は自然を取り戻し,帆や舵を追加することでそれを船にしてコントロールできる。そして大空の航海を楽しめるだけではなく,空を飛び回って腐敗を撒き散らす巨大なモンスターとの戦いに挑むという目的もあるそうだ。
ほかにも自然を取り戻した島では,自分自身が暮らせる家を作ったり,植林をしたり,作物を育てたり,かわいい動物たちの世話をしたりできる。作業台を作ればいろいろなリソースの組み合わせで,新しいツールや建造物の素材がクラフトできるようになる。ALOFTの世界では風が大きな力となり,それは帆船のように島を動かすためだけではなく,風車を作って生活のための動力に活用することも可能だ。
島々にはフィールドガイドのような情報もあり,生態系の回復にはどの植物が足りていないか,エコシステムを維持するには何が必要かなどが確認できるとのこと。嵐や熱波など自然や作物に影響のある天候条件もあり,島の場所を動かしたり,風力を使った機械で気温の維持をしたりという形でそれらに対処していく。こうして自分の冒険を楽しみつつ,自身のペースで世界の自然を取り戻していくというわけだ。
ときに自分自身で空を飛び回り,ときに島を大きな船にして大空を冒険する。世界には暴風吹き荒れる一帯などもあり,島の自然や建築物の被害を避けるための航海ルートを再検討しながら新しい島を目指す。
そんな本作の冒険の先々には,クラフトやサバイバルのための素材や資源,世界を腐食する菌類やモンスターだけではなく,古代文明が残したメメント(形見)がある。それらは「なぜこの世界の腐食が進んでいるか」に迫るアーティクルとなっており,プレイヤーはその断片的な情報からゲームの世界全体の出来事を想像し,その真実を明かす旅が楽しめるという。
世界の広さや島の数については,説明が難しいところだがとにかく規模は大きく,ワールドを作るたび500以上の島がランダムで配置されるという。全部に足を運ぼうとすれば100時間以上は間違いなくかかるし,実際に配信中のデモ版では,2~4時間ほどで遊べるものとして用意したものの20時間や100時間遊んだプレイヤーも存在するそうだ。
なお2024年秋に開始予定のアーリーアクセスは探索をメインに楽しんでもらうことが目標で,とある到達点を直線で目指したとしても30~40時間にはなるのではないかと予想しているとのこと。
本作の面白い仕組みが,冒険の中で見つけたオブジェクトをスケッチしてポートフォリオに加えることで,それのコピーを取り出してデザインに使用できるというもの。具体的には,好きな感じのパターンがあればそれをスケッチし,コピペ感覚で家のじゅうたんに使うといったことができるようだ。
ほかにもアーリーアクセス以降はゲームの状況やプレイヤーからの評判を見つつ,さまざまな新要素やコンテンツの追加を考えているとのこと。それは新しいバイオームや島の生態系の回復状況が反映されるライブツリー,動物を呼び出すベル,グライダーのカスタマイズ,モンスターの新しい行動様式,眠りについたときの夢がトリガーとなる現実でのイベントなど,興味深いものばかりだ。
両氏は本作のサウンドにも言及し,スピーカーでは聞き取れないような大気の音がたくさん入っているため,ヘッドセットでのプレイを推奨していた。
アートスタイルは温かい雰囲気で,自然の優しさと厳しさに向き合ったサバイバル&クラフトを特徴とした本作に興味を持った人は,Steamのタイトルページをチェックするといいだろう。日本語の対応もアナウンスされているので,アーリーアクセス開始に向けてまずはウィッシュリストに追加しておこう。